キャトラーズ

英雄の証明のキャトラーズのレビュー・感想・評価

英雄の証明(2011年製作の映画)
5.0
シェイクスピア悲劇の
「コリオレイナス」を
現代版に置き換え映像化した作品。
セリフ回しやストーリーが
かなり舞台寄りのため
映画としては違和感があるが、
逆にそれを認識して
そういうものだと思って見たら
映像と舞台の良さが
どちらも味わえて良かった。
てか、どうせフィクションなんだから
こまけぇこと考えんなよ!笑

レイフ・ファインズ監督作。
他の古典演劇とかも
こうやって現代版に変換して
映像にしたら絶対面白いと思った。
ある程度実力のある俳優が
監督やって正直う〜んってのが
結構あるけど、今作は
映像と舞台の中間点みたいな作風で
どちらの方面でも活躍している
レイフ・ファインズを
まさに表しているなと感じた。

つーか、自分が監督やっといて
ここまで追い込む役を自らやるって
やっぱファインズおじさん
なかなかの変態だと確信。
そこの部分ベンアフも
見習ったりさぁ…(ド偏屈)

脇役やるときは作品の一つのパーツに
なることに専念するけど、
いざ主役になると作品の大事な
一本柱として作品をしっかり立たせる。
そんなレイフ・ファインズの演技に圧倒させられた。
ジェラルド・バトラーの役も
思ったより人間らしいブレがあって
そこも主人公との対比なのかと思った。
というかこの作品、至る所に
いろいろな解釈ができる要素が
あってすごく面白い。
シェイクスピア自体がそうなのかな?

仕事に生きる男達の信念と対立、
不器用な人々の家族愛、
優越した人間の孤独と世間からの弾圧、
いろんなメッセージが場面場面で
強く押し出されていた。
そしてそれらが絶妙なバランスで
共存し、また演劇の仕組みを
うまく組み替えて映像に現れている。
至極の芸術作品でした。
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