べ

ヒトラー 〜最期の12日間〜のべのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
4.4
 総統閣下シリーズとしてあまりにも有名な作品。いつか見たことがあったけれど、せっかくの機会なので見返してみました。
 現代に対して、あまりにも多くの示唆を与えてくれる作品だと思いますが、すべてを書き記せば膨大になってしまいます。したがって、今回はある1点のみにおいて感想を書き記そうと思います。
 それは、この映画が、人類史上最も多くの犠牲者を出した第二次世界大戦について示しながらも、その悲惨さで目を瞑らせるのではなく、それについてより知らなければならないという感情へと見る者を誘う点です。実際、この映画を見たとき、私は様々なストーリーを持った多くの登場人物について、より探求したいという欲求を掻き立てられました。
 そして、その欲求によって、様々なストーリーから成るこの映画ですら、一面的なものに過ぎないということもわからされました。例えば、作中で魅力的に描かれたE・G・シェンクは、ユダヤ人の人体実験に関わっているのです。こういった事実は作品を見るだけではわからないものですが、作品によって掻き立てられた探求心の賜物であり、それを考えればこの作品に内包されるものであるとすら感じます。
 これがこの作品の持つ最大の秀逸さではないでしょうか。締めが雑ですが、filmark初の感想はこんなもので。
べ