アナ

パリの恋人のアナのレビュー・感想・評価

パリの恋人(1957年製作の映画)
4.1
フレッドアステア&オードリーヘップバーンの奇跡の共演!

今思うとすごい2人!

オープニングのモダンチックさはホォ...って感じだったが徐々にクラシカルに回帰していった。

フレッドアステアは年齢を感じさせない動き!ジーンケリーと比べるとあんまりおっさん感がない。この人、女性と踊る時に腰をがっしりグリップするからきっと女性は踊りやすいんだろうなぁと数作続けて観てて思った。リードが綺麗。
後半のヒゲ&ギターを装着して踊るナンバーはすごくカッコいい!!流石マイケルジャクソンが憧れた男!

オードリーヘップバーンは、とにかく可愛い。まず、可愛い。でもこの人、顔の造形だけが可愛いだけじゃないんだなぁと思い知った。
モダンダンスが多く入ってるんだけど、バレエダンサーであっただけあって全身を使った表現力がものすごい。暗室ダンス(特に椅子に乗せてくるくる回すところすごく美しい)の動きの時点で良い!って思ったけど、パリに到着した曲や酒場でのダンス(これが最高にチャーミングだった!)、終盤の舞台上でのダンスもすごく綺麗。バレエ経験を活かしたモデルとしてのピクチャー作りも、とーーっても綺麗。見た目は美しいけど踊らせるとウゥッ..(^^;!ってなる女優さんが殆どだから、オードリーはこういうところもしっかり動けるんだぁと感動。
ダンスだけでなく、フレッドアステアにうっとりする表情の作り方や、涙を流す場面は手放しに素晴らしいと思った。
こんなに全身をつかって曲にのせて表現するオードリーヘップバーンは初めて観たので、本人もファッションも可愛いけどそれ以上に表現の幅に感動しました。
あと、基本的に全身真っ黒服のノームコアスタイルなシンプルな私服もダンサーっぽくて可愛かった!

最後のドレスシーンで腕があらわになった時、筋肉しゅごい...!って思った。あんだけ動けるわけだからそりゃそうか。

あと、花嫁姿のデュエダンは芝生の上でこんなに踊るって2人ともすごい!と思いました。男性が上げた手の下をシェネする動きもとてもスムーーーズ!
当時60近いフレッドアステア(全然余力ありそうだけど)と、ぎりぎり女性というより少女でいけるか?って感じのオードリーヘップバーン、本当に奇跡的な共演。

クラシックばかり見てたので、60年代風のモダンぽさを交えた独特なフランス映画的な撮り方がウゥッ!と思ったけど、中盤からは落ち着いたかな。

主人公のどこが好きになっちゃったのか、かすかに疑問が浮かんだけどもうそれも吹っ飛ぶくらい良いものが沢山詰まっていた。

ラストは、'S'Wonderful'!

原題も最高にキュート!
アナ

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