クリストフォルー

パリの恋人のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

パリの恋人(1957年製作の映画)
3.8
タイトルバックに♪≪ス・ワンダフル≫が流れる時点で、本作はアステアのための映画だと判る。もちろん皆のお目当てはオードリーだろうけど。
オープニングのドアのシーンで『うれしたのしだい好き(CXの音楽バラエティ)』を思い出してしまうが、導入部からドーネンの熟練の技に魅了されてしまう。しかも、まだ主役は登場していないのだ。
本作を初めて観たのはオードリーの回顧上映の時で、あらためて言う事でもないだろうが、「ローマの休日」も「麗しのサブリナ」も本作も、かたちを変えた「マイ・フェア・レディ」だと気づかされた。そんな王道パターンを幾度演じても飽きさせないのが、オードリー・ヘップバーンの魅力なのだ。
本作でも、イノセントな姿での登場からの歌唱シーン、現像室でのアステアとのダンス、そして、パリでは本格的なミュージカルパフォーマンスと華麗なファッションアイコンを披露してくれる。もちろん、アステアの円熟したパフォーマンスとケイ・トンプソンとのコンビネーションも文句なく素晴しい。
他愛のない内容なのに、観るたびに泣けてしまう。ス・ワンダフル!
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