Jeffrey

ターミナルのJeffreyのレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
4.0
「ターミナル」‬
‪冒頭、なだれ込む空港内の人々。旅行の目的は?、貴方の番ですパスポートは…6番ブースで問題発生、クーデターにより国が消滅、空港で彷徨う男。職を見つけ、恋人を、仲間を…本作はS.スピルバーグ映画の中でも最高に好きな一本で繰り返し観てきた。元々、室内劇的な一つの空間で繰り広‬げられる作風が好きな僕にはかなり評価したい。物語もユーモアがあり、心温まる製作側の優しさを感じる。米国空港で足止めを食らう男の小さな旅をターミナルと言う空間で映した映画は既に過去に監督と組んでる名優T.ハンクス主演に同じくオスカー受賞者C.Z.ジョーンズの美しいフライトアテンダントとの‬出会いは爪弾きにされつつあった男の最低な数日を最高の数日に変える…流石はスピルバーグ映画といった所で多人種の絡みが賑やかに目立つ。黒人、インド人、メキシコ人等さり気なく巧く米国の縮図を捉えてる。なんて羨ましい主人公なんだと思いつつ映画的だからだろう…とも感じず素晴らしい人生だなと‬ ‪、周囲の人々を惹きつける力がある中年を見事にコミカルに演じ切ったハンクスはやはり偉大な役者だなと。本作に散りばめられた様々な人々の感情、性格、秘密も描き、例えばフードサービス勤務のD.ルナ演じる男は食事を提供する代わりに恋の手助けを要求、S.トゥッチ演じる国際空港国境警備局主任はT.H‬演じるビクターを空間から追出すべく悪知恵を、官僚主義を前面に押し出す、荷物運搬係の男は金をかけずに空港に置き忘れた他人の荷物をかけポーカーを楽しむ、清掃係の男は謎多きあり、CIAのスパイを恐れてたり、床磨きは他人はやらせない頑固態度がある、入国係官の女性は好意を寄せる男の頼みを毎回‬聞きに来るビクターに対して徐々に優しい口調に変わったり、優しさを見せていく…こういった濃い登場人物が繰り広げるエンターテイメントが最高なんだ。更に金を稼ぎ米国を象徴するバーガーキングでバーガーを食う、慣れない英語を懸命に覚え主張する姿は可愛らしく時にカッコ良く…めげずに職も見つけ‬、いざデートをする彼の壮大な旅の幕閉じを是非見守って鑑賞して欲しい。にしても舞台の空港が全てセットって巨大にも程があるだろ…流石はハリウッド映画だ。移民の国何だなと映画を通して監督が伝えたいメッセージがわかる。あの大事そうにしている空缶の中身がまさかあのジャズの…。とても素敵な映画だ。‬
Jeffrey

Jeffrey