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ザ・セルのmanacのレビュー・感想・評価

ザ・セル(2000年製作の映画)
3.5
基本ジェニファー・ロペスが出ている映画はみんなハズレ。
そもそも脚本からしておかしいと思うのだけれど、どうしてJLOの作品はみんなそーなっちゃうんだろ?

とにかく映像が綺麗です。
JLOも役者としてはいかがなものかと思いますが、ひたすら美しく石岡瑛子の衣装を見事に着こなしている。
ターセム監督から依頼が入った時、石岡瑛子は夢の中だけデザインするならということでこの仕事を受けたそうです。彼女の仕事はいつも豪華絢爛な衣装美術なので、カジュアルなデザインが見られる数少ないチャンスだったのに、現実世界のデザインをしないとは残念。
また、石岡瑛子のデザインする衣装は非常に着心地がよろしくないらしく、JLOが何かのインタビューで着るのがとても大変だったみたいな撮影苦労話をしていました。野良仕事するための衣装ではないので、動きにくいのは当然です。ラジー常連女優なんだから、衣装くらい文句言わずに着ていただきたいものです。
上品で官能的な石岡瑛子の世界観を堪能してほしいです。
セクシーと言うと露出が多く下品になりがちな衣装ですが、彼女のデザインはセクシーであっても決して品を損なわない高貴なもので、それがとても大好きです。



そして物語自体はおかしな方向へとっちらかってます。
被害者をどこかへ監禁したまま殺人犯が意識不明になってしまったので、人間の夢の中に入る研究をしているインテリ先生に頼んで事件解決をしようとするFBI。

夢の中に入り込むってのは相当危険な行為らしく、研究エキスパートのキャサリンが入ることになるわけだけど、このキャサリン全く事件に興味はないご様子。今まさに被害者の命が脅かされているというのにそれもどこ吹く風。キャサリン的に被害者の命はどうでも良くて、殺人鬼の方が可哀想らしい。この倫理観が理解不能。

こんな倫理観の人間が犯人の夢に入ったところで事件解決してくれるのかという心配は的中し、夢の中に入ってもさっぱり事件解決させる兆しなし。そもそもの依頼内容をちゃんと理解しているのかすら怪しい。
序盤から夢の中へ入る危険性を散々アピールしており、一歩誤れば夢の中に取り込まれてしまうのだそうです。そしてまんまと取り込まれるキャサリン。

エキスパートのインテリ先生が取り込まれてしまうのだから、さぞ難しいケースだったのだろうと好意的に解釈してみるものの、なぜかFBI捜査官も犯人の夢の中に入りキャサリンを救出し、もちろん事件も解決。

最初っからキャサリンいらなかったじゃんっていうね。キャサリンがいない方が事件解決早かったよっていうね、素人の方が的確に安全に他人の夢出入りできるからね。一体何のために研究してたんだか。

元々キャサリンは昏睡状態の少年の夢の中へ入り意識を取り戻す研究をしている訳ですが、多分キャサリン以外の人が入ればすぐに少年の意識は取り戻せたと思われる。
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