カズミ

ザ・セルのカズミのレビュー・感想・評価

ザ・セル(2000年製作の映画)
1.5
進行中の事件の被害者の居場所を聞き出すために、精神科医が加害者の心に入り込む。
あらすじが好きなタイプの作品だったので気になって目を通してみたが、個人的にはどうにも苦手だった。
ストーリー自体は、幼い頃に辛い体験をした犯人に同情して助けようとする主人公と被害者を助けようと奔走する警察──というような、ある意味王道。
その中で異質なのは精神世界の映像だが、個人的にカラフルなグロテスクさが受け付けられず、それらもメタファーを感じる、というより奇怪な表現を並べ立てたように思えて気分が悪くなってしまった。

犯人の幼い頃の描写には心が痛み、過去に時間を止めたまま傷つき続ける少年と狂気に飲み込まれた怪物の共存を映像的に表す面白みは感じたが、取り立てて感情移入できるキャラクターがいるわけでもなく、グロテスクな不思議映画を見たな、という印象が残るばかり。
ホラーみを感じる独創的で異様な世界観に浸かりたい、という場合にはおすすめの映画なのだと思います。
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