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草原の野獣のSHINのレビュー・感想・評価

草原の野獣(1958年製作の映画)
3.6
先住民と戦い土地を獲得し、名士となったリーと、その長男エド。エドの粗暴さが前面に出ているが、その根底には父から受けた教育がある。そこの描写にリアリティを感じた。また、「俺は絶対に誰にも謝らない」と豪語していた昭和の頑固親父的なリーが、最終的には自分の間違いを認めざるをえなくなり、泣くのもリアルだった。母親が出て来ないので、早くに亡くなったのだろうと推測できるが、男手一つで育てるには相当苦労があっただろう。気を張って自分なりに努力したにも関わらず、ああいう結果になってしまえば絶望するだろう。

こういう人間の本質といった深いテーマを扱った、単純なエンターテイメントを超えた作品は好きだな。

この親子の確執を間近で見て育ち、自分の価値観で物事を判断できるデイビーは、きっといいお父さんとなり、この話に続きがあるとすれば彼は幸せになり、希望となってくれるだろう、などと考えた。
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