備忘録
中学2年生の時に鑑賞。
「壮絶ラストアクションへ!不死鳥ブルース・リーはもう一度蘇る」のキャッチコピーと共に、落涙するブルース・リーの写真がレイアウトされたチラシを見た時には興奮した。
当時ブルース・リーファンクラブにも入会しており、そちらでも特集が組まれたり別冊本が出たりと盛り上がっていた。
大張り切りで公開初日に観に行ったが、作品はトンデモ映画だった・・・。
「ブルース・リーが極秘に撮影していた」と宣伝されていたシーンはどこにも見当たらず、燃えよドラゴンのボツテイクがほとんど(数か所だけ怒りの鉄拳から流用)。
後ろ姿などには死亡遊戯同様にタンロン(唐龍)をダブルとして使っているが、彼は後半主役の弟も演じており、その撮影のためか、髪型がふわっとしたパーマで、ブルース・リーとは全く似ていない(オープニングのチン・クーの戦いを見守るシーンだけは髪型も寄せており、それも逆に謎)。
温室での決闘シーンはそれなりに観れるが、これは死亡遊戯用にサモ・ハン・キンポーが振り付けて撮影したシーンだからだそう(後で知った)。
なによりもブルース・リー主演作を謳っておきながら、前半早々にヘリコプターから落下して死んでしまうという衝撃の展開だった。
その後はタンロンが弟として改めて登場し、ストーリが進んでいく。
アクションはユエン・ウーピンが携わっており、ブルース・リー的ではなくジャッキー・チェン風だが悪くない。
登場人物は監督のウー・シーユェン(呉思遠)やユエン・ウーピンの映画でおなじみのメンツで固められているので、蛇拳・酔拳色が濃い。
弟が活躍するシーンでも、燃えよドラゴン風のセットや背景、カット割りが多く見られることから、当初はここに燃えよドラゴンの別テイクやボツシーンを組み合わせて、ブルース・リー主演作として制作しようとしたんだろうなと思われる。
ジャッキー映画と同様に日本公開版に東映が付けたテーマ曲「アーロンイン・ザ・ナイト」がカッコ良く、たまに、ほんとにたまーに少し観たくなってしまう、いろいろと謎多き作品。