「金の”払い方”って5歳のガキでも知ってるのに、”もらい方”って大人でも知らなかったりするんだよね」
神山監督って実はロジカルで社会的な作品よりも、情緒的でロマンチックな演出の作品のが上手く作れる気がする。
主人公「滝沢朗」は、素性が全然掴めないのにそのキャラクター性に登場人物だけでなく視聴者すらも心掴まれて、クライマックスで彼が下す決断には不思議と「無茶苦茶だけどこいつがこう言うならきっと何とかなる」という説得力を感じてしまうのです。
だから見終えた後には全ての人の心の中に「滝沢朗」という人間が永遠に残り続ける。
ここまで作品の中で”生きている”主人公って本当に凄い。素晴らしいキャラクター造形。
神山監督の毎回すげぇ肝心な所をフンワリと終わらせる感じが大嫌いだけど、不思議と今作だけは許せる。