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かぞくのくにのmikuのレビュー・感想・評価

かぞくのくに(2012年製作の映画)
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理由なんて意味を持たない、そんな国。考えていては生きていけない。思考を停止させてただ従うだけ。そして死ぬまでその国で生きていく。「スープとイデオロギー」を見て、ほとんどこれは監督自身の物語であることがわかる。「お前は自分で考えろ」と言う兄の言葉がすべて。でも、きっと帰国事業を行っていた時代は、誰もが本気でそれが幸せだと信じていたのだろう。在日コリアンは限られた仕事しか得られない、という時代なのだろうから。子が幸せに生きていくための、母のお金の使い道が切なかった。ヤンイクチュンがコーヒーに砂糖とミルクをどばどば入れるのをほくそ笑みながら見ている安藤サクラよ。兄が買えなかったスーツケースを引きずりながら歩く、あの顔が忘れられない。とても良かった。
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