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IZO 以蔵のryusanのレビュー・感想・評価

IZO 以蔵(2004年製作の映画)
4.0
タイムトラベル × 原罪

幕末、武市半平太の刺客として名を馳せた「人切り以蔵」は囚われて処刑される。
しかしその魂は復活して現在、過去に飛び、再びあらゆる者を殺し始める。
その殺戮の意味を問われても以蔵本人も分からない。
そして答えを求め以蔵は何度も復活を繰り返しは人を切りまくる。
時の権力者は時代の亡霊たちを駆使してそれを阻止しようと以蔵に襲い掛かる。

以蔵は本能の赴くままに破壊を繰り返す歴史の破壊ウイルスなのか?それともあらゆる時代に潜む悪と罪を滅ぼすために送り込まれた回復プログラムなのか?
そしてその彼に救を与え癒す事が出来るのは「愛」なのか「神」なのか?

一見スプラッタアクションものの形をとりながら、実はその根底に人の原罪を明らかにしようとする深淵なるテーマが潜んでいます。
人の罪、組織の罪、国家の罪。哲学的宗教的なテーマを殺戮と破壊という行為を通してみごとに表現しています。
豪華な出演者と奇抜な映像表現も相まってこれは傑作と言えるかも知れません。

「デビルマン」「スペック」が好きな人におススメ。

タイムトラベルカテゴリー:3(未来、過去自由自在)
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