相模ねこ

アイ・アム・レジェンドの相模ねこのネタバレレビュー・内容・結末

アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【レジェンドも人間。諸悪の根源もまた、人間】
2009年、クリピン博士によってはしかウイルスを元にガンの特効薬が開発されガンは治癒出来る病となった。
しかし使われたウイルスが突然変異し、爆発的スピードで人々をゾンビ化していき…。
主人公が、孤独の世界で生きる目的はそのウイルスの血清を作る為、ただそれだけ。血清が出来ても死んだ家族が生き返る訳でもないしそもそも自分の他に人間が生き残ってるのかすら分からない(後半親子が来る前までは)。
なのに血清を作り続けてきたのは、ひとえに科学者としての使命感だろう。こんなウイルスが作られてしまったことへの同じ科学者としての贖罪と、クリピン博士を超えてやるという怒りに似た競争心、敵討ち…。彼の絶望はコップの縁ギリギリで保たれていたが、サムの死と親子との出会いで溢れた。この2つのシーンでだけ感情を露わにするのが良かった。
「血清を作る」だけを目的としていた彼が「血清を無事に人々に与える」事を目的に変えたとき、彼はもう自分が必要ない事を悟る。作り手から、運び手に血清のバトンは渡され、人類復活への希望は託されたのだ。
何故、ライフラインが生きているのかとか、犬以外の野生動物は感染しないのか?とかご都合主義はあるものの、ただ戦うだけのゾンビ映画とは一線を画す良作。
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