Tim

アイ・アム・レジェンドのTimのレビュー・感想・評価

アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)
3.5
アポカリプス系 top10

ラストに2パターンあって、どちらの解釈も良い。そこから主役は誰だったのか考えるのも面白い。

ラストの化け物の襲撃で、疫病で怪物化し人を襲う化け物が、実は社会性と理性を持っていたことが分かる。主人公が籠城する研究所へと押し寄せる化け物達の目的は、実は血清開発のために主人公によって捕らえられた仲間を助けることだった。

化け物を人に戻す治療薬をメンバーに託し自らは人類の存続のために犠牲になるラスト。
人に戻す血清はもはや必要ないと、治療薬の開発をやめ、他の生き残った人を探しに街を旅立つラスト。

個人的には、主人公が主人公でなくなる後者が好き。映画『ミスト』もこの手法でなかなか面白い。

主人公1とは違う選択、違う環境で生まれ誕生した主人公2が映画のバックにいる。主人公1の物語を通じて、主人公2の別の物語が見え隠れする。
今回でいうならば、主人公によって囚われた化け物を救うために襲撃をする化け物のリーダーが主人公2になりうる。

そんな作中では語られない主人公2の活躍を想像するのは、映画の終わりを自由に想像するオープンエンドと似ている。

果たしてどちらが正しくてどちらが主人公なのか、そこに正解はないからこそ自由だし、記憶に残るんだと思う。
Tim

Tim