キネマ寸評

ゾンビ/米国劇場公開版のキネマ寸評のレビュー・感想・評価

ゾンビ/米国劇場公開版(1978年製作の映画)
5.0
見終わった時、物凄い衝撃を味わった。後にも先にもこの映画を超える衝撃は未だ無い。それは人肉食だけでは無く、救いの無いラストと逃げ場の無い閉塞感。コンセプトの圧倒的な説得力。日常が崩れる感覚を沢山の人が当時味わったと思う。正直アルジェント版では味わいにくかったと思うが。現代映画で眼の肥えた人達があのグレーの絵具ゾンビを観てどう思うだろうか。寓話にギリギリのタブーを盛り込む社会批判と文化論、そのバランスとプロットの斬新さは未だ誰も追い越せない。後続のゾンビ映画やWalking Deadも全てこの裏で起こっていたサイドストーリーに過ぎない。何度も観てしまう。その度にロジャー後ろ!と言ってしまう。
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