カミツレ

余命のカミツレのレビュー・感想・評価

余命(2008年製作の映画)
-
癌が再発したことがわかったときの滴の悲壮感と絶望感はまともに見られなかった。結婚して10年、念願の子を身ごもってこれからというときにこの厳しい現実と向き合わなくてはいけないなんてつらすぎる。

産む覚悟、死ぬ覚悟、残された時間で自分は一体何ができるか、何を残せるかと考える滴の気持ちはとてもよくわかる。子どもを産んだ後、自分は育てられないからせめて夫に父親としての自覚を持たせたい…生活の基盤をしっかりと持ってほしい…焦るようなそんな気持ちも痛いくらいよくわかる。

滴夫婦を見守るカフェ経営の夫婦、そして同じ医者であり親友でもある奥貫さん演じる女性がみんな優しくて涙…。夫婦の在り方について考えさせられるし、女性の強さを改めて確認する。滴が残していった林遣都演じる瞬太が、奄美の景色の中で未来へ向かって力強く生きているのを見てジーンときた。

でも気になった箇所が1点。お腹の膨らみが不自然で重さが感じられない。もうちょっと工夫してほしかったかな。
カミツレ

カミツレ