嫌悪感でいっぱいの映画だが、ほぼ義務感で観た。告発の映画だと思いたい。歌合戦のシーンも戦後の煮凝り、結婚式のシーンは女のいない世界を男が取り仕切る空虚さを表しているのだと。男が作った戦争、その戦後男が支配するダメな時代、古い時代への決別のつもりなのだと。古い時代に支配された男をどこまでも惨めに悲しく滑稽に描いて。
貴重な記録ともいえる。今と何が違うのか、進んでいるのか後退しているのか、答えあわせになるだろうか。
暗めの画面や明暗のくっきりした青めいた画面の構成が美しい。前衛舞台のようなセットも心に残る。