儀式の作品情報・感想・評価・動画配信

「儀式」に投稿された感想・評価

kurechan

kurechanの感想・評価

5.0
引揚者の帰国で終わらないストーリーを心理的、比喩的に描いた。不気味さに同情とともに当惑
あけび

あけびの感想・評価

4.6
マスオの花嫁のいない結婚式がよかった
「純粋な日本女性さん」なんか全く求めてないのに親族の前で擬似初夜やるとこ笑ってしまう
深緑

深緑の感想・評価

3.8
横溝正史ミステリー並の如何わしさとスキャンダルで俺達をロックオン。

冠婚葬祭の儀式を通じて、とある昭和の名家のトチ狂いっぷりを遺憾無く見せてくる構成。

「ボキャ天で若手芸人にダメ出しする人」っていう自分の中の"渚イメージ"が本作にて大きく刷新されました。

とりあえず、節子おばさんの圧勝で決まり。
efn

efnの感想・評価

3.8
 宴会で労働歌に軍歌をぶつけたり、花嫁のいない結婚式で父権封建の空振りを表したり、題名どおり儀式中のカリカチュアは概ね面白い。戦犯の息子が宴席で満州帰りの主人公とBC級戦犯の前で戦友を歌って暗に攻撃するあたりの風刺は邦画の平均以上の描写だと思う。(共産化した日本を望みながら自殺した父やインターナショナルの独唱を途中で止められる共産党崩れが死に行く戦後派の象徴なのだろうな)あと、この間ずっとクローズアップ引き回しの長回し。カットを割らずに世代間を対比させているのはこの作品くらいではないか。
 ストレートに逆光で威厳を現す桜田家の面々、背中への逆光で忠誠を表す家長、葬式用の黒い天幕に棺を照らす一点照明等々、照明による意味づけも絶妙だった。
 ただ、宴席を離れて独りになると途端に憎悪の独白となり、体制批判になる。逆説のない思想語りはプロパガンダと一緒で、それを忘れた物語りは戦意高揚映画と意図することは変わらない。このあたりは転向を経験していない戦中派の限界なのだろう。ショットが綺麗なだけに、もったいない。
真田

真田の感想・評価

3.9
新婦のいない結婚式が良かったです、初夜まで含めての儀式。「純粋な日本女性さん」なんていない
この映画で撮られていることがらが一定の年代にのみ刺さるという理解は少し勿体ない気がする。登場人物にはそれぞれがこの世界を(誤解を恐れずに主題を、と言っても良いかもしれない)構築する部品として属性を持っている。それは鯨幕と喪服で成るこの世界に必要なもので過剰ささえ覚える、心地よい虚構の証明である。
映画の本質は異世界を描くことであると言ったのは伊藤計劃だが、本作を見てその意味を再確認できた。前述したように喪服と鯨幕から成るのは最小限でありながら逃れることのできない共同体の家という空間であり、見事な「私たちのいま/ここ」ではない異世界である。
異世界とはいえ、「この年代」に生まれなかったとはいえ、土着特有の「厭な感じ」を受けとることができる。それはひとえに徹底された映像美の働きであり、映画という虚構の力だと思う。
どこをとっても静止画のようにキマりきってる構図、カット。それらの美を用いて撮られる儀式ごとのクライマックス。通夜と初夜の混濁により浮かび上がる空虚は「何が言いたいか」のために「どのような工夫がされているか」の構造的に見事な工夫だった(その後の祖父のシーンも含め)。
だだっ広い庭で少年時代の主人公が地に耳を当てるシーン、祖父の葬儀に主人公と律子が訪れる一点透視。この映画は空白とそこにおける人物の画面の収め方が凄く気持ち良かった。「空虚さ」を表すための映像的工夫はあちこちに散らばっている。物語るための映像的配慮が大量にある。
徹底した映像美、二時間に凝縮された虚構、それらが織り成す家という異世界、僕はそれらに圧倒された。本当に気持ち良い映画だと思う。
沈

沈の感想・評価

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儀式の様式だけが一人歩きする感じ大好物だから刺さった
葬式場の青のカーペットがぼんやり光って白い供花がぎらぎらしてるところぐっときた
滑稽な初夜のシーンで家父長であるお爺様にブーメランがいくのケラケラ笑った
民主主義じゃなく戦後民主主義の絡まりがよくまだ理解できない
KOMOTO

KOMOTOの感想・評価

4.5
陰鬱極まるモチーフと音楽&舞台美術の如きつくり込みが相まって、どこを切り取ってもクライマックスという感じ。
あらた

あらたの感想・評価

4.0
非常に観念的で、難解ホークス。
でもこの気持ち悪さはわかる。
「家族」の嫌さ。「親戚」の嫌さ。にぎやかな葬式と空虚な結婚式。
日本の伝統とはいったいなんなのか。儀式とはなんのためにやるのか。

『来る』はおそらくこの映画からかなり影響を受けているのではないかと思った。
Ardor

Ardorの感想・評価

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Amazon Prime Videoにて鑑賞
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 これ、家父長制についての映画という触れ込みだったが、平たく言えば家長が金持ちで、かつキチガイの家って現代でもこうだよな、っていう映画だった。満州男が精神がおかしくなった時祖母が「(精神病患者などと)外に知れ渡っちゃ駄目よ。(医者を呼ぶのは)よしなさい」というシーン、てめえらが異常なくせに身内の異常さは外に漏らしたがらない名家あるある。自分自身にも思い当たる節があるこの調子に徐々にチョークされていく感覚。武満徹の不協和音的な音楽もあいまって憂鬱に拍車がかかり見てるのがきつくなった。絶望にしか進んでいかない感覚。。
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 入り組んだ家庭の関係図がよくわからず困惑したが、その入り組んだ家計そのものがすべて内務官僚だった祖父一臣が妾を作りまくっていたからだった。まとめると以下。
 満州から帰ってきた満州男は父が自殺しており、母とともに桜田家に引き取られる。そこには祖父の妾の子①輝道②共産党員の勇③中国で政治犯罪のため投獄されていた進とその息子で後に警察官になる正、おそらく嫁入りしてきた節子と娘の律子。その他にもいるが割愛。メインは満州男と祖父と輝道と節子と律子と正だ。
 タイトル通り節目節目の儀式を通して出会う親戚と、その関係性に息をつまらせる満州男、そして節子、律子、正、輝道。最初は輝道からの何某かの電報から始まる。そして回想に入り、父の一周忌、満州男が甲子園出場のときに亡くなった母の葬式(一臣と輝道が節子に手を出す)、勇の共産党員同士の結婚披露宴(節子が亡くなる。自殺として処理されたが、満州男は一臣のせいだと思っている)一臣の政略結婚に利用されて、挙げ句、花嫁に逃げられた満州男の結婚披露宴(正が交通事故で亡くなる)、同日の正の葬式(満州男は精神的にこわれ始める。)、そして輝道の死と添い遂げる律子。満州男は浜辺でへたり込んでかつて子供の頃、輝道と律子と節子と満州男でやっていた野球を思い出す。
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 印象的なシーンは正が満州男の政略結婚の結婚披露宴のときにかなり心が乱れていたところ。政治犯で中国で投獄されていた父からの反発で体制側の警察官になったはいいが、披露宴に列席する金持ち連中と一臣の作り上げたでたらめな親戚関係に苛立っており、満州男に「いつまでこんな茶番劇をやってるんだ。日本を毒している政財界の奴らと!」と怒鳴り、新日本国家改造計画案を読み上げようとする。満州男がなんとか生きていられるのも正のように、父と出会ってからひたすらイライラして行動を起こして生きてきたわけではないからかもしれない。輝道と律子とのような三角関係もないのだし、正と仲良くなれよ、満州男!可愛い弟じゃないか。と思ったりした。
 もう一つ印象的なシーンは、正の葬式の時、満州男が酔っ払って(なのか死ぬのは自分だとの意味を込めてか)正を棺桶から出して自分が中にはいっていた時、一臣に叱責されて抱きついて初夜の真似事をするシーン。輝道も一臣の肩を蹴り抑えて「貴方は責任者なんだから初夜の責任も持ちなさいよ」と助けるシーン。そしてその後縁側で一臣がうなだれて肩をすぼめるシーン。恋敵でもあるが、一方で連帯が見られたのが意外だった。
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