イルな家族の湿った鬱屈。
終始じっとり濡れている。
ギャグにしては背筋が寒く、
ホラーにしてはロマンチック。
映像が冴えている。
オープニングからキレキレ。
カメラの滑らせ方が自然なかっこよさ。
直線的な構図。
影がぱきりと折れそうな、はっきりした階調。
「花嫁不在」結婚式もインパクトあるが、
画としては葬式シーンが映えていた印象。
突き刺す青。
退廃的なエロシーンの数々。
少しぎょっとするんだけど、多くて謎に慣れる。
ラスト付近の電報の演出が鮮烈。
匂い立つ死とエロがあった、ように思う。
それをかっこよく纏めているのがすごい。
滑稽ながらひんやり冷たい儀式。家族制度。
「あなたは呪われてなんかいないわ。
呪われたい と思っていただけの人よ」
こんな台詞があったけれど、やっぱり呪われていると思ってしまった。
会話劇や追憶シーンが多く、細かくストーリーを追うには神経使うかも。
あんまりわかってなくても儀式の異様さは楽しめます。
独特の恐ろしさや湿り気、
かっこいい映像、演出を楽しめました。
ラストの潔さがまた良い。
所謂「世界観」の強い作品だと思います。面白い体験でした。