鳥さんの瞼

儀式の鳥さんの瞼のレビュー・感想・評価

儀式(1971年製作の映画)
4.0
イルな家族の湿った鬱屈。
終始じっとり濡れている。

ギャグにしては背筋が寒く、
ホラーにしてはロマンチック。


映像が冴えている。
オープニングからキレキレ。

カメラの滑らせ方が自然なかっこよさ。
直線的な構図。
影がぱきりと折れそうな、はっきりした階調。

「花嫁不在」結婚式もインパクトあるが、
画としては葬式シーンが映えていた印象。
突き刺す青。


退廃的なエロシーンの数々。
少しぎょっとするんだけど、多くて謎に慣れる。

ラスト付近の電報の演出が鮮烈。
匂い立つ死とエロがあった、ように思う。
それをかっこよく纏めているのがすごい。


滑稽ながらひんやり冷たい儀式。家族制度。

「あなたは呪われてなんかいないわ。
呪われたい と思っていただけの人よ」
こんな台詞があったけれど、やっぱり呪われていると思ってしまった。

会話劇や追憶シーンが多く、細かくストーリーを追うには神経使うかも。
あんまりわかってなくても儀式の異様さは楽しめます。


独特の恐ろしさや湿り気、
かっこいい映像、演出を楽しめました。

ラストの潔さがまた良い。
所謂「世界観」の強い作品だと思います。面白い体験でした。
鳥さんの瞼

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