青眼の白龍

ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲の青眼の白龍のレビュー・感想・評価

1.7
 三池崇史監督、クドカン脚本のSFアクション映画。前作『ゼブラーマン』の15年後を描いた続編で、引き続き哀川翔が主演を務める(白髪の翔さんとか格好良すぎでしょ)。悪役ヒロインを仲里依紗が演じ、子役時代の永野芽郁も出演している。宇宙人から地球を救った市川新市は、ある事情で記憶を失い2015年に意識を取り戻す。路地に倒れていた彼が見たのは、狂気の都知事・相原とその娘ゼブラクイーンに支配された《ゼブラシティ》の光景だった。1日10分間だけ警官が市民を殺害することを許可されたこの街で、市川はかつての教え子・浅野と再会するが……
 冒頭の超展開から嫌な予感はしていたが本当に面白くない。幸い仲里依紗が異常にエッチな格好をしていたので終盤まで集中力を保つことができたが、もし仲里依紗がエッチな格好をしていなければ確実に寝落ちしていただろう。映像クオリティは格段に向上しているものの、皮肉にもチープな特撮が見どころだった前作の魅力を完全に削いでしまった印象。ゼブラーマンは「冴えないオッサンが手作りの衣装を着てヒーローになる」というギャップが観客の共感を呼ぶキャラクターなのに、初っ端からファンタジーな近未来設定を叩きつけられた上、市川が記憶喪失になったせいで何一つ共感できなかった。また前作ではチープさゆえに笑って許せた諸々の矛盾も、シリアスな世界観では気になって仕方がない。ギャグも全体的に厳しく、面白かったのは劇中劇(怪人に襲われる渡辺直美?)とマメ山田さんくらいか。結末もヘタな打ち切り漫画のようで残念。
 仲里依紗のプロモーションビデオだと思えば我慢できなくもないが、わざわざ二時間使って見るほどのものではない。本作の公開に合わせてゼブラクイーンの劇中歌がプッシュされ、仲里依紗がコスプレしてMステに出演していたことを考えると、本当にプロモーションビデオだったのかもしれない。