昼行灯

素晴らしき哉、人生!の昼行灯のレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
3.8
ウオ~何でもない日の朝から見たが一気に温かなクリスマスムードになった🎅

本編の大部分が回想、というのは何もフィルム・ノワールだけではないってことだなあ。天使というメタ存在が物語を語るのはなんかポストモダン的だなと思う。ウテナ系アニメにありそう(かなり適当な言及)
その一方で、運転手が新婚の2人を乗せてる車のシーンなど、カメラ目線どころか観客を観客と認識した上で話しかけたりしてるのよな。そういうところは初期映画に繋がるところもある。

長らく主人公の人生をヘンリーとのバトルはずっとあるのだけど基本的に幸せに描いてきてそのままハッピーエンドか?と思いきや終盤で一気にディストピア来て、からの大団円ってなる緩急が飽きさせなかった。ディストピア以前も歴史的瞬間や人生イベントがめくるめく起こるので退屈しない。会話もギャグかメロドラマにしぼられてるので観客は笑ったりしんみりしたり忙しい。主人公たちと同様、世界恐慌や戦争と共に人生を過ごしてきた当時の観客にとっては、まるで自らのこれまでの人生を振り返ってるかのような気分になったんじゃないか。
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