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素晴らしき哉、人生!のBのネタバレレビュー・内容・結末

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

内容としてはすごくシンプルなんだけど、一度死のうと思ったことがあったり、人生に嫌気がさしてしまったりした人にとってはとてもとても響く内容だと思った。ジョージはきっと"一度死のうとして、自分のいない世界を体験した"からこそ、その後の人々の優しさに心から感動し、感謝できたのだと思う。もしそのまま生きていて、その状況が訪れたとしても、それまで不運続きの彼からしてみれば、きっと"不運が続いたから当たり前だ"くらいにしか感じられなかったかもしれない。自分のいない世界で"自分がいない"ということへの恐怖もあるが、彼の性格から周りの人間や家族が不幸になっていることが"死"よりも恐ろしいことだったんだろうなと。

「なんだかんだで家族好きなネガティブ野郎(私含め)」には響くと思われる映画。




(無駄な余談)
恥ずかしながらこの映画を見ながら自分の立場に置き換えてしまったのだが、人生まだ折り返し地点の半分にさえ達してないけれど、とある時期に死にたいと本気で思ったこともあり、軽く未遂になったこともあるが、この映画を見て家族(特に姉)に「あんたが生きてるから私も生きてこれた」と言われたことを思い出し、改めて痛感した。テレビに出ている知らない人のたった一言や、友達、家族の言動や行動で救われたり、自分は「彼(彼女)に救われた」と思っていても、その人自身はそんなつもりじゃなかったりするから、"自分だけの人生"だと思ってるけど自分では分からないところ、思いもしなかったところで他人や家族に影響を与えているのかもしれないと思うと、絶対に死んではいけないと思ったし、分かりきってはいるが未来に何が起こるか分からないなら尚更、簡単に死のうとせずにしっかりと地に足つけて生きようと思った。逆に、自分の行動や言動で他人の人生を傷つけ踏みにじってる可能性もあると思うので、罪滅ぼしのためにもまた精一杯生きようと思った。この単純な映画だからこそ、考えれば考えるほど人生の重さに気づくし、大切さにも気づく。最近映画で泣くことは少なかったが、この映画を観て久々に感極まって号泣してしまった。今までの自分の生き方が恥ずかしい…が、もしかすると(もしかすると)この生き方を良いと言ってくれる人もいるかもしれないので胸を張って生きていこうと思う。自分が生まれてきたことに意味は何か絶対にあると思うので。
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