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素晴らしき哉、人生!のるんPANのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.0
1時間半もの前振りでラスト30分が本題。
心に響き目頭が熱くなるラスト。

【It's a Wonderful Life】
人生というものは決して自分一人で出来ているものではない。誰かの存在が誰かに影響を与え、その誰かがまた別の誰かに影響を与えている。それの繰り返しで今ここにいる自分がいて、自分の周りの人たちがいる。そんな当たり前のことを忘れてしまっているからこそ、この作品はそれを思い出させてくれる。


正直、自死を考えたことがないかと言われるとNOだし、本気で考えたことも1、2回ある。コロナ禍で様々なことを感じ考えたが、人生で初めて大好きだった人と別れたり、その翌日に三浦春馬が自殺し色々な感情も湧き起こった。落ち着いたと思えば大好きな竹内結子が自殺して本気で泣いたし未だに引きずってるし、極端な選択を考える機会も増えたのは事実。

でも、このタイミングでこの映画を観て良かったと心から思う。もちろん、自分が存在しない世界と映画の主人公が存在しない世界では天と地ほどの差があるとは思うけど、それでもこの世に生を受けた時点で全く誰にも影響を与えない存在なんて存在し得ないとも思う。例えば、家族だったり親友だったり、色々お付き合いしてきた方々だったり。誰かしらに何かしらの影響を与えているんだと思うと、もっと頑張ろう、もっと人に影響を与えられる人物になろうって自分を鼓舞できる作品でもある。

主人公と同じく自分も大学は年齢と学年が違うし、家が自営業で長男で自分はしたい仕事があったりと似通ってる部分もあるからこそ惹きつけられたとも思う。主人公の人間性や頭の悪さ(?)にはイラッとしてしまう部分もあるけど、現実世界の人間なんてそんなもんだよね。

きっと自分はこの映画をこの先の人生で何度か観てしまうんだろうと思う。そして、観る度に「もう少し頑張ってみよう、もう少し生きてみよう」って思うんだろう。必ずしもジョージのように映画の主人公のような人生ではなくとも。

この世に存在などしないであろう“ベストムービー”という枠があれば、入れたくなる、そんな欠かすことの出来ない作品。
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