せいけ

按摩と女のせいけのレビュー・感想・評価

按摩と女(1938年製作の映画)
4.5
勘が鋭い盲目の按摩と東京から逃げてきた謎の女の人情物語
抑制されたカメラでほっこりした温泉街の空気を映し出すけれども、底に流れるドロっとした感触はまさしく高峰三枝子の存在感ゆえ
決定的なことは何も起こらないが、なんとなく時間が過ぎていく感覚がクセになる
単純に自分が関心を持たれていなくて不貞腐れてるだけだと思うが、もう帰ろうよと何度も叔父に促す子供はどこか焦燥感に駆られているようにも
演出やカメラのテイストは確かに『こちらあみ子』の森井勇佑監督への影響を感じた