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野良犬のDのレビュー・感想・評価

野良犬(1949年製作の映画)
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酔いどれでは三船は、自由
奔放なヤクザ役だったが、
この頃から型のある役を演
じ、技量を高めていく。

今回は酔いどれとは対照的
に拳銃をなくした八方塞が
りの若手刑事役を熱演。

オープニングの犬の描写か
ら暑さが伝わってくるよう
に写しているように、うだ
るような酷暑の中、汗まみ
れになって街中を歩き回る。

ここでも志村喬と三船のコ
ントラストが印象的だ。

いつもはいい役の志村喬が
荒ぶる刑事役。

そして2人の親睦が深まるに
つれ、志村喬が三船を家に連
れて行って呑むシーンは公私
に渡って仲の良さが現れてい
るようにも感じる、とてもい
いほのぼのとした場面。

この映画の白眉は、戦後の闇
市の雑踏、そこにブレードラ
ンナー的に鳴り響く音、また
今では撮影不可の後楽園球場
での巨人対南海戦のライブな
ど貴重なロケシーンが使われ
ている。

そして、黒澤明映画的な土砂
降りの中で繰り拡げられるア
クションと、酔いどれから使
われていた激しい画と対とな
す音楽が流れる。

これらの画期的で、当時の日
本映画離れした革命的映画に
より、後にアメリカンニュー
・シネマなど海外作品にも影
響を与えたとされる、戦後期の
黒澤明映画の代表作の1つ。

今観てもすこぶる面白い!!

日本映画の三大巨匠!!!
最低限みておくべき10作品はこれ!(1930年代〜1960年代の日本映画も紹介)

https://narcos.hatenablog.com/entry/japanese-movie-ranking
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