ぷかしりまる

お葬式のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

お葬式(1984年製作の映画)
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葬式も開く立場になれば悲しむだけではいられない。コメディ作品とされているけれど実際、立ち振る舞いやお悔やみの言葉などの礼儀作法、棺や数珠、坊さんに渡すお布施の費用など分からないことだらけだ。おまけに通夜には変な親戚やよく知らない人々も集まって、酒が回って暴れられたりしたら滅茶苦茶になるだろう。
大滝秀治演じるちょっかいだしの親戚のじいさんが、夫の納棺の際泣き崩れる妻に対して「手はここに添えて!」とカメラを向ける。周囲の人々に対しては「合掌して!それでカメラの方見て!」と空気読まずにしゃしゃり出る場面がでたらめすぎてマジで笑った
山崎努と不倫相手が葬式準備中にまぐわう場面で、遠くにいる宮本信子(山崎努の妻)が横に揺れるブランコに乗って揺れることでイン・アウトを暗示させるのは不愉快だった。昨日見た小早川家の秋と言い、夫が不倫して無知な妻が悲しむのはあたりまえよね♪みたいな空気何なんだよ!映画の中で女にも不倫させろ、って思ったけどドライブマイカーでやってた。あれは性的リベラルを装った夫が実際は傷ついていたことを認める物語だったけど(そういう男のセンチメンタルって点で言うとドライブマイカーは男の物語なんだよな)じゃあなぜ不倫が悲しいことなのか、傷つくことなのか、それを考える映画があってもいいんじゃないかな。ちなみに風の中の牝鶏の佐野周二は、家庭を支えるために仕方なしに売春した妻を頭ごなしに𠮟りつけ結局「許してやる」という男優位のスタンス。