いろどり

さようならCPのいろどりのレビュー・感想・評価

さようならCP(1972年製作の映画)
3.0
ほとんどの発言は聞き取れなかった。多分、1割か2割くらいしか私はわかっていないと思う。結局、わからないながらわかりたくて2回見た。相手の言うことを理解できないストレスも、伝えたいことが伝わらないストレスも同じくらい苦しい。ラストに脱いだ方は、伝わらないストレスが極限に達したゆえの自己表現のように感じた。脳性麻痺の人たちが集まって活動していたけど、みんな相手の発言をしっかり把握はできていないのだろうと思う。まだスマホやパソコンもないので指を使って言葉をテキストにできない時代、お互い理解し合うには心しかない。

脳性麻痺の人に同情して募金する人の理由は興味深かった。どんな理由であれ、当事者からすれば募金してくれた事実こそがありがたい。その理由が聖人じゃないからと断罪するのはいつだって部外者。聖人じゃなくても募金したって良い。そのとき助けたい、そう思った、そこを大事にできたら良いと思う。

性体験については興味深かった。聞き取れた限り、赤線で経験している人が何人かいた。もう少し理解したかったけど、聞き取れなかった。この距離感こそが監督の云わんとすることのすべてなのだろう。
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