最近ドン・ブルースさんの自伝を読んだので、参考として見てみました。ほぼロトスコープなのをしばしおいても、技術的な完成度は極めて高い、アメリカ手描きアニメの最後の輝きでした。作画と演出だけ見れば、同時期のディズニーよりも丁寧で美しく、絵画を踏まえるなど、作り込みも考え抜かれたものだと思います。ただ、ストーリーが・・・。主体的な女性という同時代の先端コレクトを満たしてはいますが、物語のお約束感は否めません。むしろ、もっとハードにして実写でやればいいのにと思ってしまいました。アニメにしてはリアルで、リアルにしてはアニメな残念な作品で、ルネサンス期ディズニーの塩梅が如何に絶妙だったかを逆に際立たせてしまう作品でした。
