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塀の中の懲りない面々のみおこしのレビュー・感想・評価

塀の中の懲りない面々(1987年製作の映画)
3.3
安部譲二さんによる原作の映画化。"超"が付く豪華キャストが、刑務所での服役中に起こる出来事を通しての悲喜こもごもを熱演しています。

前科13犯の安部直也は、恐喝と銃刀法違反で3年3ヶ月の服役中だった。同じ刑務所内には、さまざまな罪で投獄された多くの個性豊かな面々が揃っている。底意地の悪い看守長の鬼熊の目を盗んでは、シャブを入手しようとしたり、ささやかな悪さを繰り返す日々だったが、安部はシャバにいる元妻待子のことが気がかりでならなかった。

主人公の安部は、もちろん原作者の安部譲二さんの分身。演じる藤竜也さんのクールだけど腕っ節の強い雰囲気は、"塀の中の文豪"として看守からも受刑者からも一目置かれる設定がぴったり。
明確なあらすじがあるというよりは、受刑者それぞれとの日々のエピソードが綴られていく感じなので、アメリカのシットコムを観ている感覚に近いです。みんな本当に個性的だから、本作こそ短い尺で一気に描かなければならない映画ではなくてドラマで堪能したかったなと。(と思ったら、渡瀬恒彦さん主演で同じ年からドラマ版も放送されてたんですね!)ヤブ医者のドクを演じた植木等さんのコミカルだけどどこか哀愁漂う感じ、まだお若い頃の上杉祥三さんのちょっとチャラい感じ(笑)、さらになぜか革命の日を心待ちにしている謎の若者を演じた柳葉敏郎さんも印象深かったです。
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