パリ郊外の一軒家でルームシェアしながら演劇学校に通う女の子達。そのうちの1人であるセシルが恋人と暮らすために家を出ていき、入れ替わりにポルトガル出身のルシアが入居してくる。メンバーは変わっても、今まで通り共同生活を送りながら演劇の勉強に励む彼女たち。しかしセシルの様子がおかしくなり始めた頃から、とある男性が近付いてくるように。
ルームシェアしている家、演劇学校、そして移動中だと思われる列車の車窓で主に成り立っている。セシルを心配するあまり練習に影響が出てしまい、コンスタンス先生から厳しく指導されたりもする。もちろん共同生活をしている5人以外にも生徒はいて、全員真面目に演劇と向き合っている。
共同生活でも演劇学校でも男性は一切登場しない。だからこそ彼女たちに近付いてくる男性が一層不気味な存在に見える。そしてこの男性によって彼女たちの生活は大きく変化していく。名前を偽り彼女たちに近付き、最終的には家にまで出入りするようになる。
一方で、演劇学校での授業に特に変化はない。生徒達に厳しく指導する先生、個人的な気持ちに引きずられている時も的確に指摘してくる。
ネズミなのか幽霊なのか奇妙な物音がした夜、なぜコンスタンス先生はあのような事をしたのか、アンナの妹について、鍵の行方などわからない事はたくさんある。練習していた劇だけでなくプライベートな部分も含めて彼女たちの舞台をみていたような気持ちになった。脚本に書かれていないことは観客には知り得ないから。
共同生活してる様子が楽しそうで好きだったな〜あの家の間取りが気になる。まるで森の中にあるようなロケーションも良い。家にあるものを使っての裁判ごっこのシーンが特に好き。終わり方が一方的すぎて、その潔さが良かった。