当時も鑑賞していたのだけど、ストーリーは全く憶えてなかった。
改めてというか殆ど初見みたいなものだけど、暗い映画だったことは記憶していたけれど、こんな陰湿で悲惨な話しだったか…。なんとも言えないな。
しかも若手がそうそうたる面々で、こんなに未来に活躍する役者陣が揃った映画もなかなかないんじゃないかな。
そう思うと岩井俊二監督の眼力は凄いな。
これでもかというくらいのイジメシーンは映画と言えども顔をしかめてしまうほど陰惨だけれど、たまたま自分の身近には見えてないだけで、現実にはそういう環境の中に生きている人たちはいる。
救いはないのかと思うが、結局、映画にも救いはなく、イジメ、レイプ、脅迫、万引、援助交際、自殺、殺人とあってはならない青春がふんだんに詰め込まれたまま回収されることなく終わる。
まだ分別のつかない人の痛みを知らない過酷な環境にある孤独な少年少女が観たら、悪意や憎悪や悪知恵を誘発するんじゃないかとちょっと怖さもある。
怖いもの見たさ…でもこれはホラーでも夢物語でもなく、どこかにある現実だ。
