愛子

リリイ・シュシュのすべての愛子のレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
5.0
ずっと決心がつかなくて観るのが怖かった「リリィシュシュのすべて」 ようやく鑑賞
青さと痛々しさ、そして息苦しさと醜さ、それら目を背けたくなるような感情のすべてが押し寄せて苦しくて何度も固く手を握りしめてしまった、エンドロールで解いたゆびさきは白く冷たくけれどてのひらは汗ばんで熱く、そしてどちらもじんと痺れていたことが忘れられない、流れゆく映像を見つめながら漏れそうになる嗚咽を抑えて呼吸をすることで精一杯だった
それぞれがそれぞれの持て余す感情と自意識の行き場を見つけられないままどうしたらいいのか分からないまま、自身が身を置く小さい世界からの逃げ場と救いを求めて生きているのだろうな 作品を通してかつてのわたしと目を合わせる苦しさ
どこまでも残酷でけれど作品を彩る旋律はどこまでも美しくて、今もずっと胸のいちばんやわらかい部分を握りつぶされているような心持ちが抜けない
大好きだと安易に口にすることができないくらい大切な作品
愛子

愛子