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リリイ・シュシュのすべてのますのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
2.9
これはnot for me…。
テーマは理解できるし、少年少女の閉塞感や寂寞感を描きたいのもわかるし、いくつかおっ!となる美しい画もあるんだが、全体的にあまりにもダラダラしている。特に前半は雰囲気系カットとテンポの悪いネットコメントの連続で辛かった。
またカメラの手ブレで日常感を出したかったのだろうが多発しすぎて見づらさの方が優ってしまっていた。
観客に感じ取らせる/考えさせるためにあえて明瞭にしない手法はあるが、それがうまく機能していないという印象。(成功してるところもあるが。)
多分1時間45分以内にまとめたらもっとラストが際立ったように思う。

一方で00年代の中学生達の行き場のない感情や関係性の変化を描くのが上手かった。感情を整理できなかったり抑圧してしまったり誤った発露の仕方をしてしまったりしたためにどんどん悪い状況に転がり落ちていってしまう展開は見てるだけでしんどい。
蒼井優のラストシーンは特に良かった。多分、苦しみの中にぱっと最後の花火が打ち上がるような瞬間をとらえるのがうまい監督なんだな。
またメインの役者陣もとてもよかった。市原隼人がシャンプーを特定するシーンすごく好きです。
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