躁鬱映画。
思春期で中二病真っ只中の思想がつまった映画。
こんなの辛い時期にみたら、自ら死を選んだり、人を殺めてしまう人が出てくるだろう。
人はどんなに善良でも一度支配下に起き権力を得てしまうと、戻れない。人間が歪む。
閉鎖空間っていかに怖いものか。
権力により、暴力イジメレイプが横行していく中学生の幼く小さいが残酷な社会。
目を背けたくなるが、それが現実。
津田さんにとっては死は社会から己を解放する手段だった。
リリイシュシュの音楽とスピリチュアルな世界観によって緩和され、崇拝されている映画だが、中身は鬱映画では語りきれない社会の残酷さよ。
岩井俊二って女性の書き方、二種類あると思っていて。四月物語のようないかにも男が好きそうな優しすぎ、主張しない弱々しい女性。
でも花とアリス、本作の久野さんみたいな自己がある人が私は好きだよ。
点数つけるもんじゃないや、この映画。
描き方はとても好き、演出はやはりいい。