このレビューはネタバレを含みます
90点
「卒業」に引き続き、ダスティン・ホフマンの演技が見事だった。
金持ち童貞の男の子から、小汚いNYに住み着くネズミのような男へと変貌を遂げていた。
でも彼の演技は見事で、「卒業」とは全く違うイメージを植え付けられた。
脚を引きづりながらもスピーディーにNYの街を颯爽する姿とか、パーティで食べ物やお金を盗む姿とか公衆電話の釣り銭を探す所とか、本当に細かい部分がホームレスそのものを感じさせるものだった。
また、アンジーの父であるジョン・ヴォイトの演技も最高。
テキサスの田舎町から憧れのニューヨークへ出てきた若い少年が、ネズミのような男に引き摺り込まれるけど、そこで友情(愛情)を感じ死ぬまで最愛なるネズミの夢を叶えるべく身体を張り続ける姿はハラハラしたけど、こういう男性同士の友情っていいなあと感じた。
この、監督でもあるジョン・シュレシンジャーは、俳優だけじゃなくてニューヨークという街そのものを写すのも上手だなと感じた。
いい意味で、すっごく汚くて人も気温も寒い。
けど、田舎者からすると憧れてしまうような街なんだなと。
内容もともかく、演出も細かくて見ていてハラハラした作品だった。