ジュリアン

真夜中のカーボーイのジュリアンのレビュー・感想・評価

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)
5.0
理想と現実との折衝にもがく前半から一転し、ニューヨークでの生活やカーボーイよりも相棒を選んだ終盤には、成り上がりから降りることや同性の連帯という先駆的なテーマも読み取れてびっくりした。

とはいえ、同性の連帯には両親の愛を受けられず祖父母家庭に引き取られた出自に由来する、必要とされたから世話するという依存的な関係性ではある。

あと、劇中では語られないが娼婦の裏にあるマザコン願望や、途中に挿入される悪夢の内容など振り返って考えたい仕掛けもあって面白かった。