運命だった。
スラム街で生まれ育った主人公が、なぜクイズミリオネアで大金を勝ち取ることができたのか。
クイズの内容とリンクする、彼の過酷な過去により伏線が回収され、全てが繋がっていく構成が面白い。
お金の為なら手段を選ばないが、いざという時には弟を守る兄の姿や、主人公のラティカを想い続ける純愛に心打たれた。
カースト制度が色濃く残るインドでは、
歌が上手く盲目だったり、赤ん坊を見せて物乞いをすると、同情心を煽りお金を稼げるようだ。スラム街のリアルが描かれており、日本とは全く異なる文化や価値観の違いが衝撃的である。
そんな環境でも、不満を言うことなく生きるために必死な子供達の姿に何ともいえない感情で胸がいっぱいになった。
経験を通して学ぶ知識は、かけがえのない財産となる。人生にムダなことはひとつもないということに気づかされる作品だ。