牛丼狂

消えたシモン・ヴェルネールの牛丼狂のレビュー・感想・評価

2.0
登場人物のそれぞれの視点で同じ時間軸を繰り返すという手法は、桐島〜、エレファントにつうじるが、なんといっても『明日、君がいない』とはオチまでもが同じ。
生徒たちはうだうだと憶測を立てるが、結局はまったくカンケーない。この構成は作品として成功するかはそうとうリスキーだと思う。ラストにすべてを懸けなければいけないのだから。
そして今作でそれが成功しているかというとビミョーなところだ。登場人物たちがそれぞれ苦悶するが感情移入できるほどに説得力がない。だから物語の推進力として謎解きを期待する。
シモンくんよりも前に、2人目、3人目の失踪(笑)の謎がわかるのだが、謎解きへの期待は見事に裏切られる。この作品は、悶える登場人物たちを楽しまなければならなかったのだ。
そして『明日、君がいない』の急展開とはことなり徐々にラストに向かっていくもんだから、強烈なインパクトといえるほどのものはなく肩透かしを食らってあっさり終わる。
たとえば清楚系ビッチのクララちゃんの苦悶とか、誰でもいいけど、複雑な感情みたいだからそれを積極的に描いたほうがよかったんじゃないか。
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