ブレードグーナー

十九歳の地図のブレードグーナーのレビュー・感想・評価

十九歳の地図(1979年製作の映画)
4.0
結構古い作品だから今見ても面白いかどうか不安だったが、かなり面白かった。人間の生き辛さを普遍的にリアルに描いている作品ということか。
蟹江敬三のダメ人間演技も素晴らしいのだけど、本間優二の素人っぽいところもリアルで良い。リアルな狂気。なぜか蟹江敬三になついているところも良い。地図がどんどん精緻になっていくところとか怖い。鬱屈の具現化。
脇を固める山谷初男、原知佐子や白川和子、中丸忠雄がうまいのでグッとしまって見える。そしてあまりに突き抜けている沖山秀子。「神々の深き欲望」も凄かったけど本作でもどこまでが演技でどこまでが地なのかわからない圧倒的な存在感。不安感、恐怖のような感情を増幅させられた。
世の中すべてを憎悪する本間優二が電話ボックスで泣くシーン、何か沁みる。

友部正人の出てるシーンわかりにくい。足速いな。
今から考えると電話帳に住所、氏名掲載するってのどかな時代もあったね。