よしおスタンダード

十九歳の地図のよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

十九歳の地図(1979年製作の映画)
3.5
原作も読んでますが、難しい原作を見事に再解釈してると思います。

40年前の映画ですが、今、誰か新進気鋭の若手監督が撮りました! と言われても、内容の本質的な部分は通じると思う。

あと、改めて映画にとって「電話 」という道具がいかに大事かがわかる。まず、公衆電話だったり、家の黒電話だったり、昔は電話が凄く「物質的」で「ボリューム感」があって、電話が画面に出てくるだけで「あ、なんか始まるぞ」という期待感があった。

昔の電話は動かしたり持ち運べなかったわけだから、必然的に電話が出てくるシーンはその場所を記憶に定着させたり、動いているシナリオを一度立ち止まらせたり、会話に集中させたりと、「動かせないこと」で様々な効果を生み出していた。

「電話が鳴ると映画が動く」と、何かの外国小説に書いてあったが、特に昭和の電話の着信音って、確かに何かを動かすくらいのパワーを持った音だったなぁ、と納得した。