チャンドラー

アラビアのロレンスのチャンドラーのレビュー・感想・評価

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)
4.0
軍人として帝国主義の前線に立つロレンス。帝国主義に懐疑的な彼は、さながらモーゼのように、アラブ人を率いて、トルコ人の占領するダマスカスへ向かう。帝国主義に対する、アンチテーゼとしての民族主義である。しかし、彼の理想化する民族主義は、イスラム教の教義とも、アラブ民族の実態とも、相入れない。前者において信者は皆平等であり、後者においてアラブ民族は所詮敵対する部族の総体なのである。この誤算に絶望したロレンスは、帝国主義を理想化した祖国へ還り、ふかふかのベッドの待つ「平凡な」幸せに還るのである。

脚本も緻密だし、ショットも素晴らしいし、無駄なシーンも一切ない。
が、長すぎる。