Jimmy

追求のJimmyのレビュー・感想・評価

追求(1945年製作の映画)
4.5
滅法面白いノワール映画だった。
妻殺しの夫をハンフリー・ボガートが演じたカーティス・バーンハート監督作品。

妻キャスリン(ローズ・ホバート)と夫リチャード(ハンフリー・ボガート)は、世間から「おしどり夫婦」と見られていたが、実は上手くいっていない夫婦だった。
知り合いが「二人の結婚5年目パーティ」を開いてくれる晩にも、言い争う姿。
夫が妻の妹エヴリン(アレクシス・スミス)を好きになっているのを、妻は気付いており、夫に問い詰めても否定せず。実際にリチャードはエヴリンを愛していた。

そんな関係なので、夫は妻に殺意を抱き始めて、山からの自動車転落事故で死んだように見せかけて妻を殺害する。しかし、死んだはずの妻の香水が自宅で匂ったり、妻が付けていたはずの指環が自宅に戻されていたり……、次々とリチャードの周りで奇怪な出来事が続いて、リチャードは追い詰められていく。
このリチャードが心理的に追い詰められていくシーンが丁寧に描かれているので、観ているこちらは「確かにリチャードは、自動車転落事故現場で妻キャスリンの死体を確認していなかったから、実は生きているのかも……」などと思わせられる。
このあたりが本当に面白い。

殺人を前面に出したノワール映画も良いが、こうした心理的ノワール映画も、観ていて楽しい。ハラハラさせられる…。
なかなかの佳作だった。
Jimmy

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