Jimmy

千羽鶴のJimmyのレビュー・感想・評価

千羽鶴(1969年製作の映画)
3.5
川端康成原作のため、冒頭に「ノーベル文学賞受賞記念」のテロップあり。

鐘がなる鎌倉の寺が、オープニング場面。

若尾文子(太田夫人)も京マチ子も、以前、平幹二郎の父親の愛人だった。
その平幹二郎が若尾文子と関係を持つ。「初めて抱いた時は復讐のような気持ちでした。しかし、だんだん、奥さんのひたむきな気持ちが分かってきたんです。」という感情のようで、「『生まれたままの女』、『人間以前の女』いや『人間最後のような女』のような気がして好きになりました」という平が若尾に話すセリフは、名言だと思う。
その発言に対して「嬉しいわ、ありがたいわ。もう死んでもいいわ。」という若尾文子のセリフも気持ちがこもっている場面である。
その若尾文子の死後、平幹二郎が若尾の娘とも関係を持つあたり、凄い展開……。

原作は未読であるが、川端康成の原作だけあって、会話が文学的な感じがする映画である。
また、増村監督であるから、濃厚な情欲場面を織り交ぜながらの映像が繰り広げられる作品となっているが、洗練された美しさという感じであった。
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