キミシマユウキ

シティ・オブ・メンのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・メン(2007年製作の映画)
3.6
ブラジルのリオデジャネイロ、幼少のころから兄弟のように仲良く育ったウォレスとアセロラはギャングたちによって父親をお互い失っていた…

ブラジルのギャング映画名作『シティオブゴッド』のシリーズ作品。
直接の物語上の繋がりはない。
『シティオブゴッド』の後に作られた短編映画がTVシリーズへ、そしてそれを映画化したのが今作という立ち位置らしい。
ずっと観たかったところamazonプライムビデオに入っていたので鑑賞。


  ”撃つか撃たれるかの世界”


『シティオブゴッド』ではリオデジャネイロの貧困街のギャング抗争や少年たちが兵士へと変貌していくまで全体的に描いていたが、今作は二人の少年の成長にフォーカスを合わせてドラマ性を強くしていた。
父親を幼くして亡くしたアセロラ(ジュースではない)と父親が身元不明なウォレスが最初は女の子の話なんかをする普通の18歳だったのに、ギャング達の抗争に巻き込まれて荒んでいくのは少し哀しかった。ブラジルの貧困街ってのは今もこんな風なんだろうか?行ったことがないのでこの表現が正しいかはわからないがとても”リアル”に感じた。
どんなにイキがってるボスも、そこらへんでビビってるおっさんも撃たれれば等しくあっけなく死んでしまうのだ。
この映画を観るきっかけは
『シティオブゴッド』を鑑賞した際、留学のときに知り合ったブラジル人親友の女の子にそれを伝えたら今作もオススメされたのだ。彼女曰く
「悲しいけどそういう場所も本当にあるのよ。とても力強い作品だわ」
とかなんとか言っていた気がする。
ただやはりゴッドの方があまりにも傑作なのでこっちは少し劣ってしまう気もした。
TVドラマ版を観れば感想も変わるのだろうか?

キャストはブラジル人なので全く知らないが、『シティオブゴッド』にも出演していた数人がメインキャストを務めているとか!あと、白人っぽい奴がクリストファーミンツプラッセ(キックアスのレッドミスト)に似てました(笑)

とっても平和な日本という国に住んでいることを感謝したくなるほど危険な街リオデジャネイロ。
そこで暮らす図太い若者たちの生き様をこの作品で見ることができるのかもしれない...


ブラジル貧困街に興味のある方、『シティオブゴッド』が好きだった方、そしてギャング映画をこよなく愛す自分と同人種の方にはオススメの作品