ヴレア

アトミック・カフェのヴレアのレビュー・感想・評価

アトミック・カフェ(1982年製作の映画)
4.0
「原爆って何?」
「何で実験が必要なんだ?」
「どのくらいの放射能で変異が起きるんだ?」

アメリカ政府が核実験を行っていても、具体的に国民は何も知らないというのが怖いなと思った。

冷戦時、ソ連がいかにして原爆を所持するに至ったか、そこまで詳しく知らなかったのでとてもためになった。
ソ連が原爆を所持した途端、アメリカでは簡易原爆シェルターを作ったり、ガスマスクが流行ったり、学校では机の下に隠れる訓練が行われている。
実際に爆弾が来たら意味がないだろうと思ってしまうが、これは私達にとっても他人事ではない。
つい先日、北朝鮮のミサイルが日本を通過して太平洋に落ちた。
その時、Jアラートが鳴り、地下などに避難しろと警告が出たが、咄嗟に避難出来るものでもないし、どうしたら良いか分からず結局何もしない人が殆どではないか。
もし、実際に本土にミサイルが落ちてきたらどうするつもりなのか、ちゃんと迎撃出来ますよというのなら安心だが、迎撃出来るのかすら怪しい。
また、ミサイルが落ちたらどれくらいの範囲に被害が及ぶのか、その後どういう対応を取るのかちゃんと説明が必要だと思う。ただᒍアラートで警告するだけじゃ不安を煽るだけで何も分からない。

原爆の歴史を辿るドキュメンタリーとしてとても上手くまとまっており、見応えのある作品だった。
よく、ドキュメンタリーには点数を付けないという人が居るが、ドキュメンタリーだからって同じ題材でも切り取り方によって伝わるメッセージというものは違うし、確かに事実に対しては面白い面白くないも無いが、その構成の仕方や演出方法には点数を付ける事が可能だと思うのでしっかり評価したい。それに、この作品においては完全にドキュメンタリーって訳ではなく、映画内映画が出てきたりするし、アニメーションを使ったり、原爆の脅威を歌でコミカルに表現したり、かなりエンタメ重視な内容に感じられた。
ヴレア

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