ツクヨミ

シカゴのツクヨミのレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
4.3
流行り廃れは早いけど今が楽しければいいよね。
ステージガールスターを夢見るロキシーは殺人容疑で逮捕されてしまうが、彼女は裁判で勝つために名を売っていく…
ロブ・マーシャル監督作品。今作はシカゴという街を舞台にショービジネスで成り上がろうとする女たちをミュージカルテイストで描いていた。ミュージカルシーンはブロードウェイ舞台っぽく豪華絢爛なビジュアルが目を惹き、歌メインで踊るレネー・ゼルウィガーとキャサリン・ゼタ・ジョーンズの衣装と容姿にうっとりさせられる。
そして今作はアカデミー編集賞をとったこともありクロスカッティングを多用した編集力がなかなかだった。特にキャラクターの妄想もとい幻想なミュージカルと裁判や女たちの会話劇が交錯するクロスカッティングは現実と妄想のギャップが異様な映像を作り上げている。また女囚が絞首刑に処させるシーンと飛び降りマジックはマッチカットの多様がクロスカッティングを成しており、改めてマッチカットとクロスカッティングは紙一重なんだなと感じた。
本作はミュージカルでめちゃくちゃ楽しい映画であるが、裏のテーマはシカゴもとい裁判大国アメリカやショービジネスの汚い闇取引を皮肉っていることだ。それは主人公ロキシーがやり手の弁護士を雇い裁判になんとしても勝とうとする展開や、人気スターだったショーガールが一晩で転落し次のスターにとって変わる展開が物語っている。なかなか重そうな内容であるが無数もあるミュージカルシークエンスが楽しい雰囲気を壊さず、ブロードウェイ式ショーの闇を笑いに変えてしまう映画の魔法にかけられた感じがした。
映画の要所要所にミュージカルシークエンスが散りばめられなかなか飽きさせない映画でかなり満足度高めだった。特にヴェルマ演じるキャサリン・ゼタ・ジョーンズは最高にハジけるダンスを見せてくれて◎。
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