やすひろさん

ニュー・シネマ・パラダイスのやすひろさんのレビュー・感想・評価

4.1
2022年280本目
キリ番は名作
「ニューシネマパラダイス」オリジナル版

イタリアの貧しい村の映画館で働く少年の思い出、出会い、別れ

・貧しい村の唯一の娯楽、映画館の、技師アルフレード。学はないが上映一筋。そんな彼のところに入り浸り映画を学ぶトト少年の話が第一部的な感じ。ここで一本の映画になるくらいの起承転結がある。ここで終わってたらほのぼのいい映画。
ここから青年として女性との出会いと別れ兵役旅立ち、30年後の帰郷。一人の人生の長い部分を描くことで観るものに今の人生を形作る過去の選択が正しかったのかを問いかける。主人公にも正解はわからない。見てる私たち自身の人生も、正解はわからない。ただ人生は一度しかないということをこんなにはっきり見せられる映画は他にない。

・村は時間が止まったようでいて止まらない。全ては時の中にある。

・宝くじに当たったナポリの男のことを「北部のやつはいつもうまくやりやがる」ってセリフ。ナポリを北部って言うのは相当南の村が舞台。イタリアは昔から北部(ローマ、ミラノ、フィレンツェ、ジェノバなど)は発展していて一方南は今でも貧しい南北格差の国。

・映画館で笑ったり拍手喝采したりみんなで見てる感じがいい。イビキをかいて寝る男、二階席から痰を吐く男、女性の胸を揉む男、赤ちゃんに授乳する母、ポルノでオナニーする青年、ポルノで悶々とした男を客をとる娼婦、、、自由すぎる
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