アンタレス

ニュー・シネマ・パラダイスのアンタレスのレビュー・感想・評価

4.0
ローマで映画監督として活躍するサルヴァトーレ。ある夜、サルヴァトーレのもとに一本の電話がかかって来る。それは故郷の母から、アルフレードの訃報を告げる知らせだった。そして、静かにアルフレードとの思い出を呼び起こすサルヴァトーレ。

第二次世界大戦の最中、シチリア島の僻地に住む「トト」と呼ばれていたサルヴァトーレ。トトは、村唯一の娯楽である映画にのめり込み、教会も兼ねている映画館、「パラダイス座」に何度も侵入しては映写技師のアルフレードに追い出されていた。
やがて、ある騒動を境に二人は親しくなり、アルフレードはトトに映写機の操作を教えるのだが、映画の上映中にフィルムが燃え、劇場は完全に炎上してしまうのだった。

123分の劇場公開版、173分のディレクターズカット版を鑑賞。どちらも違った味わいがあり、まるで別の映画のように楽しめた。
映画に魅了されたという共通点を持つ、二人の友情。トトの成長を友人として、そして父親のように見守るアルフレードの優しさが心を打つ。
少年期、青年期、成人期と、3人の役者がサルヴァトーレを演じているが、それぞれ違ったアプローチで映画への愛情とアルフレードへの気持ちを表現している。
映画という文化、芸術への溢れんばかりの愛が綴られた傑作である。
アンタレス

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