ふぁぶ

海底軍艦のふぁぶのネタバレレビュー・内容・結末

海底軍艦(1963年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

まだ幼かった頃、特撮TV番組の映像ソフトさえ出回らない田舎では、古い特撮映画などもはや伝説に等しかった。
轟天号やマンダの姿は、本に載っている写真数枚でしか目に出来なかった。
それを今こうして観られるのは、感慨深いものがある。
内容はというと、まさに古き良き特撮映画。
若い特撮ファンには苦笑いされるだろうが、おじさんにとっては全てを含めて愛すべき作品なのだ。
出演者も特撮ファンには馴染みの顔ぶれがたくさんで、思わず嬉しくなってしまう。

しかし、それとは別に今作で何よりも魅力的なのは敵の親玉であるムウ帝国皇帝だろう。
敵に捕虜にされながらも、信念と誇りは失わず、それでいて自軍に対して非情な攻撃指示が出される時の表情や仕草は少女のようで、健気ささえ感じる。
哀しい最期といい、この映画の主役だと言っても過言ではない気がする。
あと、とってつけたように言うが、マンダも可哀想である。せめて、逃亡してどこかでひっそり暮らすエンドにしてあげて欲しかった。
また、戦後20年経っていない時期の作品だが、劇中の「今の若い者には理解できんだろうな、愛国心なんてね」というセリフにも、色々考えさせられる。
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