にいにい

ビフォア・サンセットのにいにいのレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
4.5
ウィーンでの運命的な出会いから9年。半年後にまた会おうという約束は果たされなかったものの偶然(?)再会。今度の舞台はセリーヌが住んでいるパリ。夜のウィーンも魅力的だったけどやはりパリは素晴らしい。街を歩くシーンは前作より短かったものの、暖かい夕日が9年振りの再会を果たした2人の練り固まった心を溶かしてくかのよう。

前作と同じように知的でウィットに富んだ会話は留まるところを知らない。まるでウィーンでの1夜が昨日の出来事のようで奇跡に近いような再会にも全く動じてる素振りを見せない。きっとこの瞬間を待ちわびてたんだろう。ウィーンでの1夜をお互いに忘れられないでいる訳だが、前作の若さ溢れる甘ったるさよりも大人の駆け引き、少しスレた感じが個人的には前作よりも好きだった。前作同様、徐々に迫りくるタイムリミットがお互いを急き立て、感情を溢れさせる。セリーヌの歌もラストシーンも物凄く良い余韻に浸らせてくれる。たまらん。

序盤のジェシーの台詞にも出てくるが前作以上に"今"を感じさせる。ウィーンでの1夜から9年分の今を積み重ねての本作。今は意識した時にはすぐに過去になるけど、この映画を観てると地続きであることを感じる。今この時の大切さを実感する映画でした、観て良かった!
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